エルメスの調香師、ジャン クロード エレナ氏のインタビュー記事がありましたのでシェアします。
この記事の中で、心に残るのは次の質問にへの答えです。
Why are you against market testing?
企業商品の売上に調香師の仕事は左右されます。
究極は、「売れる香り」を求められます。
売れるとは、購買者が欲しいと思うものを調査した結果が反映されがちです。
製品デザインでアップルのスティーブ・ジョブズはこう言いました。
「フォーカスグループによって製品をデザインするのはとても難しい。
多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ」
エレナ氏もこれに似た考えなのではないかと思います。
そしてエレナ氏の次のコメントが記憶に残ります。
People only love what they know
「購買者は知っているものを好む」
今までにない新しい香りを消費者テストしても、今までにない香りは高評価されにくいだろうということだと思います。
そして、
I’m about moving toward the future not about the past.
「過去ではなく、未来に向かって進んでいる」
調香師にも葛藤があります。
だからエルメスの香りはどこか新鮮に感じ、とがったような香りがするのだと思います。
彼の香りは、日本の購買者には受け入れられているようです。
そして、新作がいつも楽しみになります。